16 avril 2019

Piano concert by Miyuji Kaneko in March

先月のことですが、2度目となりますが、久しぶりに、金子三勇士さんのピアノのコンサートに行ってきました。
だいたい一年に2回くらい、クラシックピアノを聞きに行きます。
クラシックは好きですが、20世紀前半以降の難解な曲は苦手です。
三勇士さんのコンサートの曲目は多くの人に親しまれている曲が入っているので、リラックスして楽しく豊かなひと時を過ごせます。
「19世紀のウィーンを支えた音楽家たち」というテーマで指揮者の飯森さんの解説と共に演奏が進行しました。
場所は銀座のヤマハホール。
なんて久しぶりにここへ来たことでしょうか! 
昔、中学、高校生の時、父と一緒に、時々、電車で有楽町まで行き、そこから、ヤマハや山野まで歩いて行って、クラシックの楽譜や雑誌を買いに行ったことを思い出しました。 楽譜を買った帰り、パフェやクレープを食べたものです。
とても懐かしい気持ちが込み上げてきました。

最初の曲はモーツアルトのトルコ行進曲付きソナタ。
昔、弾いたなぁ、と懐かしがりながら聞きました。
お次はシューベルトの即興曲第2番。
いつも前もって、ざっくりしかプログラムの内容を見ずにチケットを買っているので シューベルトのどの曲だか把握していませんでした。
そして、最初の音が鳴った時・・・突然、今は、ずーっと遠い昔になった思い出がめくるめく蘇ってきました。
ピアノは小学校の時から近所の父方の親戚の先生に習っていました。
芸大の師範科を出た、とても厳格な先生で、どちらかと言うと質実剛健な曲を選んで 生徒に弾かせていました。
同じ間違いを何度も繰り返すと、パシッと鍵盤の上の手を叩かれたものです。
今思い出すとコミックのようで笑えますが、子供としては、悲しくなって思わずピアノの前で泣いたりしたこともありました。
その先生はピアノの発表会のような華やかなものは催さない先生でした。
母方の叔母がやはりピアノの先生で好きな曲や楽しい曲を何でも自由に弾かせてくれる先生だったのですが、通うには遠かったので、中学に入った時、発表会だけ出させてもらうことになりました。
初めてのピアノの発表会。
女の子は皆ワンピース、男の子は蝶ネクタイをしています。
その時、弾いたのが、このシューベルトの第2番だったのです。
のどかな田園風景が繰り広がるメロディーに魅了されて選んだ曲。
子供の頃の発表会の時の光景がそのまま目に浮かんできて、心が動かされました。
即興曲に続いては、シューベルトの楽興の時。
う~ん、これも懐かしい。
そして、ベートーベンの悲壮ソナタ。
ここまでは、どれも昔自分が弾いた曲ばかり。
第2章の甘美なメロディーが流れてきた時、思わず胸が一杯になって涙が勝手にこぼれてきました。
あの頃の自分は世の中のことを何も知らず、ぼーっとしているのは、今も変わらないですが、その後どんな人生が待っているかも未知で、優しい両親のもと、のんきな子供時代を送っていました。
後半はリストやブラームスで三勇士さんの真骨頂の華やかな曲目で構成されていました。
東ヨーロッパの民族調の舞曲を軽やかに、時にメランコリックに、変化に富むリズムで弾いていました。フォルテシモもとてもダイナミック。超絶技巧の部分は、手の動きの速さがまるでハチドリがものすごい速さではばたいていて、動きがみえないみたいな感じでした・・・。
この間もそうでしたが、三勇士さんのコンサートはヨーロッパのゆったりした時間が流れていて、心が豊かになります。
またこの次も楽しみにしています。